2011年2月11日金曜日

女の四季 舟橋聖一

1948

書 名 女の四季 
著 者 舟橋聖一
発行人 森北常雄 
発行日 昭和23年10月25日 昭和24年6月15日再版
発 行 ロッテ出版社
発行所 東京都千代田区神田小川町3−10富士ビル内 
印刷所 石炭文化印刷株式会社 
判 型 B6判 並製平綴じ カバー欠 本文346ページ
定 価 150円



目次

【ひとこと】花森安治による舟橋聖一作品の装釘3冊め。
装釘家には、作品をよんで装釘するタイプと、よまないで装釘するタイプがいる。こういう表紙絵にであうと、花森は、作品をよく読みこんで装釘していたことがわかる。
だらしなく置かれた着ものと帯、洗練とはほど遠いその色合い——
幸うすかった女の、人生の脱け殻そのものだ。貧しさのにおいがただよい、重苦しいあえぎが聞こえてくる。それこそ本書に一貫してひびく不協和音なのだけれど、整然と調和のとれた花森の構図になれた目には、うけいれにくく、いぶかしさがのこる表紙絵だ。『暮しの手帖』に舟橋聖一の随筆がのせられることは、なかった。


奥付

女の四季 ウラ表紙

女の四季 表紙全体

【もうひとこと】ロッテ出版社のことは、よくわからない。現在の理工系書籍出版社、森北出版の前身であるようだ。本書ページ末に、久米正雄『赤光』、川端康成『白い満月』、藤澤恒夫『彼女は答へる』、佐藤垢石『絡む妖美』、三宅やす子『未亡人論』の自社広告があるほか、太宰治『誰も知らぬ』、海野十三『大宇宙探険隊』を刊行したことはたしかである。