2013年3月30日土曜日

しょうけい館 花森安治展をみる

一階フロアの左手おくに、企画展コーナーがあった。美術館にくらべ規模こそ小さいが、花森安治の傷病兵としての経歴にスポットをあて、そこから戦後の『暮しの手帖』のしごとを逆投影している。花森の知られざる一面がきわだつ企画になっており、展示構成もみごとだ。


パンフレット(3ページ)
展示資料一覧(1ページ)


入口受付でパンフレットと展示資料一覧をもらう。展示品で特記すべきは、世田谷美術館では公開されなかった花森の戦時中の写真と手帳、妻と愛娘にあてた書簡、遺品の数々であろう。夫として、父親として、ひとりの男が生きた証がいまなお<在る>ことに、厳粛を感じた。

それだけではない。かつて暮しの手帖研究室の屋上にひるがえっていた<一戔五厘の旗>も展示されていた。風雨にさらされ、くたびれやぶれ、いろあせた木綿の旗に、わたしは意外にも花森安治の人生を見るおもいがした。無言のボロ旗は、花森安治のやさしさと深い悲しみを、重く低く訴えているようであった。

展示資料に「花森安治年表」がそえられている。さすが戦傷病者資料館だけに、戦時中の花森について、これまでになく詳しく調べてある。蒙を啓かれた。わたしは杉山平一の話をうのみにし、花森の内地療養先を和歌山の陸軍病院とばかり思いこんでいたが、そうではなかった。大阪陸軍病院深山分院が正しいようだ。学芸員の誠実をありがたくおもいました。感謝します。

5月12日まで。月曜休館。入館無料。ぜひ、ごらんください。わたしも再訪したい。

2013年3月6日水曜日

しょうけい館 花森安治展案内リーフ

3月20日、しょうけい館春の企画展が開催。
「戦中・戦後の戦病者〜二度の除隊を経て花森安治の歩み〜」


案内リーフおもて 2013

案内リーフうら


くわしくはしょうけい館のホームページをごらんください。
http://www.shokeikan.go.jp/

関連イベントに、ご息女の土井藍生さんが「父花森安治の思い出話」を、また「学芸員による展示解説」も予定されています。

学校は春やすみ。ぜひ、お子さんづれで、ご家族でお出かけください。戦争の悪と悲惨さを次世代につたえてください。入館無料。

【厚生労働省の報道関係者むけ資料】
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002wltk.html

【ブログ再掲】花森安治の戦後のしごとを代表するのが『戦争中の暮しの記録』です。二年まえの拙ブログですが、こちらもご覧いただけますとしあわせです。
http://sotei-sekai.blogspot.jp/2011/03/blog-post_27.html