2011年2月7日月曜日

新樹 大佛次郎

1949

書 名 新樹 
著 者 大佛次郎
発行人 田中延二 
発行日 昭和24年7月10日
発 行 苦楽社
発行所 東京都中央区銀座西8−5(日吉ビル)
印刷所 ダイヤモンド印刷株式会社 
判 型 B6判 上製平綴じ(糸)カバー欠 本文328ページ
定 価 250円



奥付

新樹 ウラ表紙

【ひとこと】苦楽社は、大佛次郎という逸材をえて、海軍放出の印刷用紙で雑誌『苦楽』を復刊させ、戦後のつかのま出版界を風靡したことで知られる。本書の刊行時は、資金のうしろ楯であった元海軍御用達印刷会社文寿堂からはなれ、経営がゆきづまったころか。
奥付から大佛次郎と花森安治のつながりが見えてくる。苦楽社がはいっていた日吉ビルの3階には、暮しの手帖社(当時は衣装研究所)も入っていた。ダイヤモンド印刷は、 田宮虎彦の文明社の版行をうけおっていた印刷所。小生は晩年の花森しか知らないが、若いころ「めんどうみのよい苦労人」と称された花森のすがたが、かいま見えるようだ。ちなみに昭和24年1月発行の『美しい暮しの手帖』第2号に、大佛次郎の「樹を植ゑる」と題する随筆をのせている。本書には一切ふれさせていない。それが花森安治の流儀であった、と小生はおもう。

<見返し>ウラ表とも同一デザイン、附箋は古書店が貼ったのか

表紙全体