2016年7月1日金曜日

花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部

カバーおもて


書 名 花森さん、しずこさん、そして暮しの手帖編集部
著 者 小榑雅章(こぐれ・まさあき)
校 閲 大沼俔子
装 幀 佐々木暁(装画 花森安治)
発行日 平成28年6月11日
発 行 暮しの手帖社
発行者 阪東宗文
発行所 東京都新宿区北新宿1−35−20
印刷所 精興社
判 型 B6 本文399ページ
定 価 1850円+税


朝ドラ「とと姉ちゃん」が始まって、小生ごとき者にも取材や原稿依頼がとびこんできます。 そんなとき、たかが六年ほど花森さんのもとで働いたからと、しゃしゃり出るのは図々しく、われながら如何なものか、とおもってはいます。でも自分が、見たまんま、聞いたまんま、感じたままを述べればいい、花森安治と『暮しの手帖』のことです、いいかげんなまま捨て置かれるわけはなく、だれかが事実をおぎない、その全貌をあきらかにしてくれるとおもって、本がたくさん出るのをよろこんでいます。

そんな、つぎつぎと類書が出る中で、こころ躍る一冊が、ようやく刊行されました。読みながら感嘆することしきりでした。小生とは比べものにならない小榑先輩のキャリアが、内容を厚く濃いものにしています。小榑先輩の「いまこそ書かねば」という気魄が、始めから終わりまで、ひしひしと伝わって圧倒されます。その根底に流れるのは、暮しへの愛情と、暮しを踏みにじるものへの怒りだとおもいます。そして拙著『花森安治の編集室』にはない気配りが、文章にも行間にも、いや本ぜんたいに満ちていて、じつに爽快でした。

花森安治に培われた文章力がみごとです。これぞ暮しの手帖編集部の歴史をものがたる名著。どなたにも、ぜひ読んでいただきたい本です。

小榑さんのブログを紹介させていただきます。いまの日本の状況を憂う危機感が、強く迫ってきます。ジャーナリストとして、かくありたいものです。(下記をクリック)
http://blog.livedoor.jp/moshihana/


【追記】
今月は同じく編集部先輩の二井康雄著『ぼくの花森安治』(メディアハウス)も刊行されるようです。こちらもたのしみです。でも地方に暮していると、近刊も店頭ではなかなか手に入りません。紹介がおそくなること、ご了承ください。