2012年8月22日水曜日

【花森安治表紙原画展をみる 第5信】

世田谷美術館 パンフレット 2012



世田谷美術館での花森安治表紙原画展も、のこすところ十日あまり。暑いさなかにもかかわらず、まいにち多くのかたが足を運んでいます。はじめて原画をごら んになったかたは、花森の絵のこまやかさ、あたたかく美しい色づかいに、おしなべて息をのまれるようです。おどろきはよろこびとなって、みなさんの眼が輝 いています。



作品リスト部分(著作・世田谷美術館)


会場入口で、パンフレットと「作品リスト」がわたされます。作品リストは、A3の用紙のウラ表にコピーされたものですが、じつはこれがすごい。原画全103点について、『暮しの手帖』発行年月、原画の制作年、材質・技法、そして寸法がすべて詳細に記載されており、ひじょうに資料価値がたかいものです。これを作った学芸員のかたのご苦労に敬意を表します(作品リストの一部は世田谷美術館のサイトで見ることができますが、商品テスト風景の写真や中吊広告などのデータはこちらだけ)。ファンはとうぜんながら、メディア研究者にとって、この作品リストはとっておきたいものですね。



パンフレット裏面 講演案内


パンフレットの裏面に講演会の案内がありました。デザインを優先させたためでしょうか、かんじんの案内が目立たないのが瑕瑾。いつものおせっかいで下に転載します。

講演会「花森安治の編集術」
日時:8月25日(土)14:00−15:30
講師:津野海太郎(作家)
会場:世田谷美術館 講堂
当日先着150名(午前10時より整理券配布)
入場無料 手話通訳付

かつて晶文社の名編集長として、植草甚一や長谷川四郎をはじめ国内外の作家の話題作をかず多く上梓した津野海太郎さんの花森安治論です。これはたのしみ。拝聴しなくちゃソンというもの。