1952 |
書 名 風流落語お好み版(ア・ラ・カルト) 第一集
編 者 安藤鶴夫(1908−1969)・日色惠
発行人 櫻井光雄
発行日 昭和27年1月1日
発 行 田園社
発行所 東京都千代田区神田多町2−2
印 刷 明和印刷
判 型 B6版 並製 平綴じ 本文262ページ
定 価 140円
扉 |
【ひとこと】表紙正面にランプをもってきたところが、いかにも花森安治らしい。解説はヤボだが、扇子と湯呑は高座につきもの、右上は大入袋、扇子の右下にあるのが下足札であろう。知ったかぶりすれば、小生の「酢豆腐」ぶりがバレてしまうからよすが、落語の入門書として、本書はじつによくできている。いわば落語ミニ百科。だけど噺はきくもので、読んでもなぜかおもしろくないから奇妙。落語が話藝であることを実感させられる。
目次 前部分 |
目次 後部分 |
【もうひとこと】編者の安藤鶴夫は、坊主頭でべらんめー口調で、いなせな江戸っ子のじいさんという印象がつよかった。五十一歳でなくなっている。意想外に若かったのだ。共編者の日色惠は、東京新聞で安藤鶴夫の同僚にあたり、「将棋観戦記者・演芸評論家、女優日色ともゑの父」と紹介されている。
日色ともゑは、 東京大空襲を語り継ぐつどいや憲法9条を守る会に参加し、花森安治の「戦場」を朗読している。人の世の縁(えにし)をおもわずにいられない。
*「戦場」——『戦争中の暮しの記録』暮しの手帖社1969年刊所収