2011年6月17日金曜日

学生はどこへいく 山下肇

1961



書 名 学生はどこへいく 大学と大学生 
著 者 山下肇(1920−2008)
発行人 車谷弘
発行日 昭和36年8月15日
発 行 文藝春秋新社
発行所 東京都中央区銀座西8−4
印 刷 大日本印刷
製 本 中島製本
判 型 B6版 上製平綴じ カバー 本文214ページ
定 価 260円


表紙


奥付

【ひとこと】山下肇はドイツ文学者。東京帝国大学独文科在学中、学徒出陣。戦後、日本戦没学生記念会事務局長につき『きけわだつみの声』を復刊させ、わだつみのこえ記念館長をつとめた。

花森安治の絵は、60年安保改定反対運動にやぶれ、意気消沈した学生の姿。そのご学生運動は分裂しながらも裾野を広げ、世界的な学園紛争、70年安保闘争へとむかう。その10年間で、学生運動は角材とヘルメットに象徴される姿に変わっている。しかし、連合赤軍による一連の事件をピークに急激に沈滞。団塊世代は、バブル経済の波間にのみこまれ、いつしか「おいしい生活」も終っていた。いままた就職氷河期、学生のゆくては険しい。されどおまえたちの未来だ。きりひらけ、息子よ。

時計の文字盤を逆さにしても、 過ぎ去った日々はかえってこない。花森はどんな思いで、扉の絵をかいたのだろうか。


表紙全体

カバー全体

【もうひとこと】奥付をみて、はじめて気づいた。本書を刊行していたころの文藝春秋新社は、銀座西8丁目4にあった。当時、暮しの手帖社は同8丁目5の日吉ビルにあったから、お隣同士だったのだ。文藝春秋は戦後、内幸町の大阪ビルが接収されて出たあと、現在の紀尾井町の社屋にうつるまで、銀座をあちこち移動したようだ。暮しの手帖社は、いま新宿にある。