<『人とつき合う法』単行本>
1958 単行本 |
<『人とつき合う法』文庫初版>
1968 文庫本 |
1986 文庫改版 |
『人とつき合う法』文庫本あとがき |
【ひとこと】花森安治のカバーによる河盛好蔵の本は、二冊とも花森存命中に文庫化されている。しかし『人とつき合う法』の昭和61年改版はその死後で、花森は新しくなったカバーを眼にしていない。これを見たら、あちらで舌打ちするかもしれない。
単行本の表紙で、書名と著者名をいちばん下に置いたのは、大上段にかまえていない姿勢、つまり老人の、上から目線の説教ではないことを、感じとってほしかったのだとおもう。
「人とつき合う法」なんて定石があるわけもなく、河盛ほどの人物であれば、含羞なくして説けるものではない。書名著者名が、下にあるのと上にあるのとのでは、花森の絵もちがって見えはしないだろうか。諧謔と悪ふざけは紙一重だ。こころすべし。
<『あぷれ二十四孝』単行本>
1960 単行本 |
<改題『親とつき合う法』文庫初版>
1974 改題文庫 |
『親とつき合う法』文庫本あとがき |
【もうひとこと】現在、これら河盛好蔵の文庫本二冊も絶版になっている。青春の一時期、かつての若者たちにきそって読まれた本が、いまでは見向きもされなくなったようだ。読んでおもしろく、しかも読んだあとの充実感もあるのに、現代の若者たちが読まなくなった理由が、小生にわからない。
【訂正】『人とつき合う法』は版元をかえて、人間と歴史社から新装版がでている。花森安治の装釘ではないけれど、絶版ではなかった。訂正します。