1956 |
書 名 殺意 世界推理小説全集20
著 者 フランシス アイルズ
訳 者 延原謙(1892ー1977)
発行人 小林茂
発行日 昭和31年3月25日
発 行 東京創元社
発行所 東京都新宿区新宿小川町1−16
印刷者 浅野剛
判 型 三五判 上製無線綴じ 本文234ページ 函入り
定 価 180円
ウラ表紙 |
奥付 |
【ひとこと】訳者の延原謙は、昭和初期より海外探偵小説の翻訳家として知られ、コナン・ドイルやアガサ・クリスティの作品を日本に紹介した。名探偵シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロの名を、日本の探偵小説ファンに広く親しませたのは延原の功績と言ってよいが、『新青年』という当時モダンな雑誌の存在も大きかったであろう。ちなみに延原謙は昭和3年、横溝正史のあとをついで、『新青年』 の第3代編集長になっている。
花森安治は本全集の装釘で、一巻ごと函と表紙の色、書名の書体と大きさを、かえている。
函 オモテ |
函 ウラ |
【もうひとこと】全集には月報がついている。本書の月報は下掲のとおり、江戸川乱歩、戸板康二、花森安治による鼎談。花森安治の発言の冒頭部分をよめば、そのパーソナリティがわかる。だれもが関心をもちそうな「みやげ話」を用意し、耳をそばだたせておいて座談を展開してゆく。乱歩と戸板は、もっぱら聞き手にまわる。後記の「編集室より」によれば、鼎談の内容は、二回にわたって月報で紹介されるのだが、一部分とことわっている。雑誌かなにかに全容が掲載されたのだろうか。
月報 江戸川・戸板・花森による鼎談(一) |