1946 |
書 名 闇から夜明けまで
著作者 舟橋聖一
発行人 青山虎之助
発行日 昭和21年5月1日
発 行 新生社
発行所 東京都麹町区内幸町 大阪ビル
印刷人 小坂孟 東京都牛込区市谷加賀町1−12
判 型 B6判 平綴じ 本文64ページ
定 価 3円80銭
【ひとこと】新生社は、敗戦後の日本に、月光仮面ではないけれど「疾風のように現れて疾風のように去って」いった出版社。その盛衰は宮守正雄著『ひとつの出版・文化界史話』(中央大学出版部、1970年刊)にくわしい。
舟橋聖一のこれは「新生叢書」のうちの1冊。戦火の焼跡からうまれたヴィーナスのような絵をはじめて見たとき、東郷青児の作とみまがってしまったほどだ。だが、花森安治が描いたことをしめすHのサインが、たしかにあった。なお本書は小説で、文末に(前編了)と記されているが、後編が同社から刊行された形跡はない。
16年前のきょう午前5時46分、花森の郷里、神戸は大地震にみまわれた。この表紙絵から伝わる静寂な祈りは、いま時空を超えて、希望を感じさせる。