2011年1月3日月曜日

文明 新年特輯

1947

誌 名 文明 新年特輯
通 巻 第2巻第1号
発 行 文明社
発行所 東京都中野区本町通六ノ一四
発行日 昭和22年1月1日
発行人 田宮虎彦
編集人 田宮虎彦
目次画 花森安治
印刷人 中田末男
印 刷 ダイヤモンド印刷株式会社
判 型 A5判 平綴じ 表紙共全116ページ
売 価 15円

【ひとこと】神戸の小学校で、田宮虎彦と花森安治は同級生であった。ともに1911年生れ。田宮にとっても、ことしは生誕百年にあたる。田宮と小松益喜の共著に『神戸 わが幼き日の‥‥』(中外書房1958年刊)があるが、花森のことは書かれていない。この表紙のモデルらしき建物のスケッチもない。しかし洋館は、文明開化の象徴である。幼いふたりの眼に焼きついて、郷愁をさそう景色であっただろう。

 『文明』の発行期間は、昭和21年2月〜23年3月と記されているが、不定期刊のようだ。南陀楼綾繁さんのブログによれば、大屋幸世著『日本近代文学書誌書目抄』(日本古書通信社2006年刊)には、花森安治がどの号の表紙をかいているかわかるという。ちなみに創刊号は花森ではなく、内田巌がかいていた。誌名ロゴもちがっている。
はじめから頼めばいいのに、親友にめんどうをかけまいとした田宮虎彦の、きまじめな性格が古風で、せつない。


【哀悼】田村治芳さんのご冥福をお祈りいたします。
鐵村大二の生活社と花森安治のかかわりについて、メールでことばを交わしただけの縁でした。『彷書月刊』休刊号で、ふたたび河内紀さんに「生活社と鉄村さん」を書かせたことに、田村さんの、静かではあるけれど、たしかな心意気を、あらためて感じさせられました。合掌