1957 |
誌 名 週刊朝日別冊 昭和32年第6号 炉辺読本
発 行 朝日新聞社
発行日 昭和32年10月28日
編集人 扇谷正造
目次画 小倉遊亀
判 型 B5判 平綴じ 表紙共全172ページ
【ひとこと】花森がかく絵の多くは、対象がデフォルメされている。それゆえ花森は、対象を正確にえがく写実力に欠けているとおもわれがちだ。しかし小学生のとき、かいた絵が正確緻密で、親にかいてもらったと先生に疑われた、というエピソードが伝わっている。精神科医にしてエッセイスト、現代ギリシャ詩の翻訳でも知られる中井久夫は、花森に「直観像資質」を感じるという。眼で見たものを、そのまま写真のように記憶でき、それを表現できる才能らしい。画家にかぎらず、頭の中の将棋盤に駒をさす棋士、頭のなかの譜面に音符をかく作曲家もいるように、空間認識にすぐれた人びとは、さまざまな分野で活躍している。
【お知らせ】今回をもって、『週刊朝日』および同別冊の表紙篇をおわります。なお、いままでの表紙をスライドショーにまとめました。
http://www.youtube.com/watch?v=NoZXq8Ynj9k
次回(11月17日)より、文藝春秋新社刊『座談』および『文藝春秋増刊』の表紙篇をご紹介します。