花森安治calendar2014 表紙 |
品 名 花森安治カレンダー2014
デザイン L'espace
発 行 株式会社グリーンショップ
発行所 東京都新宿区北新宿1-35-20
印 刷 大日本印刷株式会社
大きさ タテ515×ヨコ300ミリ 表紙台紙共14枚つづり
価 格 1680円(税込)
2014年版の花森安治カレンダーをちょうだいした。
御恵投くださったかたの名まえを記すのは秘すけれど、志賀直哉にならっていえば、気品あるバールフレンドのお一人からである。贈ってもらいながら、バールフレンドとは失礼な!、と顰蹙を買うだろうが、さりとてガールとおよびするにはもう・・・(ごめんなさい)。しかし、老いてますます気品を失わないかたの知遇を得ていると、しみじみゆたかな気持になれる。ありがとうございました。
新しいカレンダーは、花森安治のすてきな絵と写真によって構成され、イラストも添えている。いずれも創刊から100号までの『暮しの手帖』第1世紀の表紙をかざった作品で、1年のうち、5、6、7、10月に写真の表紙を採用していた。見どころは、なんといっても絶妙な構図のとりかたと卓越した色づかい。いまなおあせることのない装釘家としての花森のセンスのよさが、直につたわってくる。花森ファンにはたまらないカレンダーであろう。お問いあわせはグリーンショップまで。
らいねんは東日本大地震の発生から早3年めをむかえる。ちなみに花森安治カレンダー2014版の3月は、上掲の日用品を描いた絵(1957年7月発行第40号)をつかっている。仮設住宅や遠くに避難生活をよぎなくされている人々を、一刻もはやく震災前の暮しにもどしてあげる——それが政府のいちばん優先すべき課題ではないか。天も地も、慟哭している。
きょう10月25日は、今はなき花森安治の誕生日、ことしは生誕102年にあたる。さまざまことが思いだされるけれど、ひっきょう繊細でやさしく、かたい信念の人であった。
ぼくら このごろ すこしばかり やさしい気持を
なくしてしまったような気がする
ごくたまに きれいな青い冬の空が みえることがある
それをしみじみと 美しいとおもって みることをしなくなった
はだかの電線が ひゅうひゅうと鳴っている
その音に もう かすかな春の気配を きこうとしなくなった
早春の 道ばたに 名もしらぬ雑草が
ちいさな青い芽を出している それを
しんじつ いとおしいとおもって みることをしなくなった
——花森安治「みなさん物を大切に」から
【卓上タイプ】
上・卓上タイプ表紙 下・収載の表紙絵12枚 |
花森安治カレンダー2014には、卓上タイプもある。絵柄は、壁掛タイプとかさならないように別の表紙絵(下の12枚)をえらんでいる。 たとえば会社のデスクなどにおすすめで、使い方のひとつとして、ケースから出し透明ビニールマットの下に数ヶ月分をならべると、ゴールデンウイークや連休がひと目でわかり、なにかと便利。いや、遊ぶことばかり考えている、と誤解しちゃいけませんぞ。あくまでも先々の見通しをつけるため。こちらはタテ100×ヨコ150ミリ、表紙共14枚、透明プラケース付、税込価格1100円。
【新刊情報】
来る11月22日、かねて待望の津野海太郎著『花森安治伝 日本の暮しをかえた男』が新潮社から刊行されます。2010年から9回にわたり季刊誌「考える人」に連載した文章に、さらなる知見と検証を深め、大はばに加筆したとつたえられます。たのしみです。