1947 |
書 名 東京の谿間
著 者 寺崎浩
発行人 中村梧一郎
発行日 昭和22年11月30日
発 行 八雲書店
発行所 東京都文京区森川町111
印刷者 山元正宣
印刷所 三晃印刷株式会社
判 型 B6判 上製平綴じ 本文238ページ
定 価 75円
扉 |
見返しに貼った奥付 |
ウラ表紙 |
扉の絵のあつかいに趣向をこらしている。ヨコ長の風景画の角度を変えてタテにあしらい、なおかつ扉ページの端まで印刷して余白をのこさない裁ち切りにした。つまり、絵の両端と地の部分3ミリをカットしている。挿絵画家の作品であれば、装釘者の花森に、こんな「乱暴」はできない。じぶんで絵をかいたからこそ大胆になれるのだろう。とはいえ自由を得るには、いささかの勇気がいるものだ。
藤田加奈子さんのブログ『日用帳』には、寺崎浩が装釘した西村晋一著『演劇明暗』(沙羅書店、昭和12年)が紹介されている。寺崎は、劇作家真船豊とも親交があったといわれており、その二人の作品を、花森安治はどのような経緯から装釘することになったのか、興味深いところである。正直にいえば、戦後まもない時期の花森のしごとについて、小生はまったく知らなかった。いまになって悔やまれる。
表紙全体 |
扉を横にすると、正面中央には駅の高架ホーム。どこの駅かしら? |