2012年4月21日土曜日

【松江だより 花森安治展 その3】

●松江文化情報誌『湖都松江』

2012 第23号表紙


誌 名 湖都松江 第23号    
表 紙 吉田静佳
編 集 湖都松江編集委員会
統 括 高橋一清
発行日 平成24年3月23日
発 行 松江市文化協会
発行所 松江市末次町86 松江市役所観光文化課内
印 刷 アイム株式会社 
判 型 B5判 無線綴じ 本文80ページ
定 価 400円(税込)


島根県立美術館でおこなわれた花森安治展は、四月九日ぶじ全日程をおえて閉幕した。実質40日余の開催であったが、来館者総数のべ15,273人をかぞえた。美術館がある松江市内はもとより、県内外から多くの人が訪れ、なかには七回も足繁くかよった方があったという。

六年まえに世田谷文学館でひらかれたときと同じで、往年の『暮しの手帖』ファンが多かったようだが、それにもまして今回も、若い人々が多かったと聞く。花森がかいた表紙やイラストの原画など、どれも描かれて半世紀近く、あるいはそれ以上たつが、いまなお輝きを失わないその新鮮な美感覚が、観覧した老若男女を魅了したにちがいない。

松江文化情報誌『湖都松江』第23号をちょうだいした。年2回発行の郷土誌で、出雲の歴史と文化、風物やゆかりの人物をひろく伝えることを刊行趣旨としている。今号から「松江人物風土記」と題する企画が始まり、おりしも生誕百年をむかえた花森安治と中村元のふたりが、その端緒を飾ることになった。

花森安治については、ご息女の土井藍生さんが「生きる知恵——父花森安治に教わったこと」、島根県立美術館主任学芸員で花森展を企画担当した上野小麻里さんが「努力する手」——花森安治グラフィックのしごとから——、また本誌編集統括者であり元文藝春秋編集者の高橋一清さんが「編集者花森安治と松江」を寄稿している。

藍生さんはむろんのこと、若い上野さんも、池島信平の部下であった高橋さんも、三者三様に花森安治への敬慕の思いが深く文章にきざまれていて、清々しい読後感にひたることができた。こんかいの展覧会にふさわしい「副読本」といえよう。花森ファンにご購読をおすすめしたい。


湖都松江 23号 目次

<問合せ先>〒690ー8540 松江市末次町86番地 松江市役所観光課内 
松江市文化協会 湖都松江編集部 電話0852ー26ー1157