2016年4月8日金曜日

花森安治の編集室(文春文庫)

花森安治の編集室 文庫版カバーおもて


書 名 花森安治の編集室 「暮しの手帖」ですごした日々
著 者 唐澤平吉
装 釘 大久保明子(カバー写真提供 土井藍生)
発行日 平成28年4月10日
発 行 文藝春秋
発行者 飯窪成幸
発行所 東京都千代田区紀尾井町3-23
印刷所 図書印刷(DTP ジェイ エスキューブ)
製本所 加藤製本
判 型 文庫 本文282ページ
定 価 640円+税


晶文社から1997年9月に刊行された拙著の文庫による復刻版です。
「怖いもの知らずゆえに書けた本」が文庫担当者の読後評でした。それがこんかい復刻の僥倖にめぐまれたのは、NHK朝の連ドラ「とと姉ちゃん」に便乗してのこと。暴走する馬の尻尾にしがみつくハエのごときで、こわがりの小生、気が気ではありません。

と言いながらも、「とと姉ちゃん」にあやかって読売オンラインに寄稿しています。長文にもかかわらず、ほぼ原稿どおり掲載していただきました。下記をクリック。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160404-OYT8T50080.html?from=ytop_os2_tmb

『暮しの手帖』の文章を書くうえでだいじなことを、花森安治は時々に説きました。拙著に、一つ書きもらしたことがあります。
「ひとを描くときは浪花節だ」——
つまり、ひとを批評家の目で描いてはいけない、というような意味だろうと理解しています。それができているかどうか、自信なんてありませんが、わたしはその花森のことばを頭においてかいたつもりです。

若書きゆえの粗雑な文章で、こんかい読みなおして身の縮むおもいでした。けれども生来アタマも粗雑にできているせいで、じぶんが書いた文章を、いつしかおもしろがって読んでいるのんきな自分がいて、まったくもってアホかいな、でした。 お気がむけば、どうぞ読んでやってください。本日発売です。


カバーうら 帯とも


晶文社版は、平野甲賀さんの装釘でした。文庫版は大久保明子さん。花森さんの愛娘土井藍生さんからお借りした写真に、大久保さん手作りの文字で、あたたかみのあるやさしいカバーにしてくださいました。身にあまる光栄です。

ところで、じつは拙著にはもう一人、カバーをデザインしてくれた方がいます。グラフィックデザイナーの望月五郎氏。1998年4月から放映された東芝日曜劇場『カミさんなんかこわくない』に登場し、ドラマの中でカバーを制作してくれました。望月氏を演じていたのが天下の二枚目俳優の田村正和さん。ドラマの演出に平野甲賀さんが直接協力していたのでした。わがカミさんは、美男の田村さんをみて絶叫し、小生の顔を見るなり、大きなため息をつきました。どうしてかしら。