2011年1月19日水曜日

日本文学の諸問題 中野重治

1946

書 名 日本文学の諸問題
著 者 中野重治
発行人 青山虎之助
発行日 昭和21年5月25日
発 行 新生社
発行所 東京都麹町区内幸町 大阪ビル
印刷人 貫井修三
印刷所 日工印刷株式会社
判 型 B6判 平綴じ 本文64ページ
定 価 3円50銭

【ひとこと】これも新生叢書の一冊である。 誇らしげに「全部戦後書下し」をうたっていた。室伏高信『新生の書』『民主主義と日本』『自由主義か社会主義か』『日本の天皇』、正宗白鳥『我が生涯と文学』、藏原惟人『新しき日本のために』、宇野浩二『福澤諭吉』、三宅晴輝『インフレと財産税』、藤井誠一『敗戦の日本経済』がある。新生社のいわば相談役であった室伏高信と三宅晴輝の志向が、叢書のコンテンツにも濃く反映したようだ。そのなかで、舟橋聖一と中野重治の著作の装釘をしたことは、やはり花森なりの分別があったのではなかろうか。意外に思えるかもしれぬが、花森安治は、時流に敏感ではあったが、安易にのることを、潔しとしない人間であった。

 【補遺】平成22年11月8日更新、週刊朝日別冊(昭和31年新緑特別読物号)で、花森安治の詩が 「レール」という歌曲になったことをご紹介しました。それをYouTubeにのせてくださった方がおられます。良い曲です。お聴きください。ただし、花森が「国鉄分割民営化に異を唱えた」と誤解なさいませぬように。花森の詩が一部変えられて歌詞になっているのは、その10余年前になくなっていたからです。
http://www.youtube.com/watch?v=YwNjdq3JDsE&feature=related